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保護具をもっとよく知ろう。 [印刷用 タイトルあり] [タイトルなし]

保護具をもっとよく知ろう。 

(参考:安全スタッフ-2008年8月1日号)  


事故や災害から身を守る「最後のとりで」ともいえるのが、保護具。これを装着することによって安全に、そして安心して作業ができるという側面もある。法律でも定められ、作業現場には欠かすことのできない保護具だが、現場で本当に作業者が正しく使つている?。

そんな疑間が浮かび、今号では保護具のなかでも代表的なものを取り上げてみた。基礎的なものから知っておくと便利な情報まで調査した。作業者が保護具への認識を深め、愛着を抱くようになれば、安全意識の高揚への一端になるかも知れない。


  1. 保護帽
    1. 作業に合つたものを使つているか
    2. いつ交換すればいい?
  2. 保護めがね
    1. 意外にも多い眼の災害
  3. 耳栓や耳覆い(イヤーマフ)
    1. 作業場所の騒音測定が先決
  4. 呼吸用保護具
    1. ろ過式でも対応できる場合も
  5. 手袋
    1. 手袋をしないルールも徹底させる
  6. 安全帯
    1. 間違つたチェックしてません?
  7. 安全靴
  8. 防護服

保護帽


作業に合つたものを使つているか

建設業や製造業をはじめ、多くの業種で使用されている保護帽は最もポピュラーな保護具といえる。一般的には「ヘルメットJのほうがなじみがある。

ヘルメットは建設現場などで頭上から工具類など物が落ちてきたときに頭部を保護する「飛来・落下物用」と作業現場で墜落・転倒時の危険から頭を守る「墜落時保護用J、電気作業や電線のある現場で頭部の感電を保護する「電気用」に大別できる。さらに、一番外側の帽体と呼ばれる材質も作業特性に合わせて使用するものが異なる。熱硬化性として「FRP製」があるが、これは耐熱性、耐候性は優れるが耐電用としては使えない。


 熱可塑性のものとしては、「ABS製」「PC製」「PE製」「PP製」の3つがある。郎製は耐電性に優れている反面、高熱環境では不向きとされ耐有機溶剤性は劣る。耐熱性、耐候性ともA器製よりも優れているのがPC製だが、有機溶剤を扱う現場では使用できない。有機系の薬品を扱う作業に適しているのが、PE製とPP製。PP製はPE製に比べ、耐候性がやや劣る。こうした特性を持つ4種類のヘルメットを作業現場・実態に合っているかどうか、再度チェックするのも安全管理といえる。


いつ交換すればいい?

ヘルメットについて、作業者や現場管理者が一番関心のあるのが交換時期ではないだろうか。

あるメーカーの試験結果がある。FRP製とPC製の帽体を5年間、屋外ばく露試験で経年劣化を調査したところ、「衝撃吸収試験」では、FRP製は5年経過した時点でも安定した衝撃吸収性能を保持していたが、PC製は性能が得られなくなったものが出たと報告している。「耐貫通試験」「耐電圧試験」は双方ともクリアできたという。


それぞれの考察も行っている。FRPについては、保護帽としての性能上の大きな変化はなかったとしつつも、帽体の色が徐々に変化し4年を過ぎると外観の変化が顕著になるとした。長期間の屋外ばく露でポリエステル樹脂がやせ、帽体表面にガラス繊維が露出するために起こる現象だという。

実際の作業現場では、劣化の外的要因が多くなることから、 5年以内の交換を推奨するとした。

一方、衝撃吸収試験で破壊が生じたPC製の場合、平均分子量が新品時のおよそ80%まで低下していたことが分かった。さらに、4年経過時点では約85%まで落ちていることもあって、劣化の加速などを考慮すると3年以内の交換を求めている。また、PC製よりも耐候性の劣るPE製やABS製は慎重を期す必要性があることから、3年を上回る使用は推奨できないとメーカー側では判断した。


この試験結果から交換時期の目安が分かった。ただ、これは正しく使った状況を想定しており、休憩時間にヘルメットを腰掛け代わりに使ったり、頭の上に物を乗せて歩行するといった行動を取っていれば当然、寿命は短くなる。

頭を守るヘルメットを少し長く使用するには日頃のチェックも大事だ。帽体では、縁が欠けていたり、衝撃の跡が認められる、汚れが激しい、ガラス繊維が浮き出している、著しい変色など日で見て分かる異常があった場合は交換時期といえる。帽体の中にある衝撃吸収ライナーや装着体も損傷や汚れ、傷のあるものは交換する。

ヘルメットは厚生労働省の保護帽の規格に適合するものを使用することとなっている。型式検定合格品には「労・検」のラベルが貼ってあるので、確認したい。


保護めがね

人間は物が飛んでくると、とっさ的に目をつぶる。それでも、距離が近く高速だったりすると防ぎきれず、眼球を損傷してしまうこととなる。しかも、眼は体の中でも再生機能をほとんど持たない器官ともいわれる。


意外にも多い眼の災害

興味を引く試算結果がある。眼球の表面積は体全体の面積の約600分の1で、換算すると約017%となる。それに対し、眼に関係した労働災害の発生比率は、全災害の約30%も占めるという。「017%に対して、30%Jといかに眼の災害が多いを物語る結果といえる。


保護めがねなどには、眼保護具として「遮光保護具」「保護めがねJ「レーザー用保護めがねJと顔面保護具としての「溶接用保護面」「防災面J「防熱面」に分けられ、JISマークがあるものを選択する必要がある。


保護めがねのメーカーによると、度の人ったメガネを保護めがねの代用として作業をしている人を見かけるが、これは裸眼で作業をしているのと同じだという。保護めがねは、飛来物があっても簡単に破損しないレンズ強度になっているが、通常のめがねは強度の面で非常に危険との見方だ。また、サングラスは紫外線を吸収する能力のあるものもあるが、赤外線は吸収できないため、遮光保護具を使用する現場ではサングラスの代用は絶対に禁止するよう呼びかけている。


耳栓や耳覆い(イヤーマフ)

職業性難聴は症状が進行すると、治療が困難といわれる。初期には会話域よりも高い周波数の聴力が失われるため、本人はなかなか気づかないことが多いという。

大声で話さないと会話ができないような作業場所では、騒音が85dBを超えている可能性があり、対策を講じなければならない。こうした職場では、騒音対策として耳栓や耳覆い(イヤーマフ)が使われる。


作業場所の騒音測定が先決

耳栓には、低音から高音までを遮へいするJIS第1種型と主に高音を遮り、会話域程度の低音が聞き取れるJIS第2種型の2つのタイプがある。会話域の周波数での騒音が大きい場合にはJIS第2種型は十分な遮音効果が期待できない。このため、耳栓の選択はメーカーのカタログにある周波数ごとの遮音値と作業現場の騒音特性を比較する必要がある。非常に騒音の大きい職場では、耳栓とイヤーマフを併用すると高い遮音効果があるとされている。


ただ、イヤーマフは耳全体を覆うため、高温多湿の作業環境では、作業者が嫌がる傾向があるので注意が必要だ。

耳栓の正しい装着は「着用する耳と反対側の手を後頭部に回して耳の上部分をつまんで、後上方向に引っ張ると耳の穴がまっすぐになる。その状態で耳栓を強く差し込む」のだそうだ。こうしないと、十分な遮音効果は得られない。

耳栓を利用する前に作業場所の騒音測定をやるのが先決だ。

実態を知らないのでは耳栓の効果も分からないし、周波数分析も行わないと、どの型の耳栓を使っていいのか判断できないからだ。調査もせず耳栓だけ与えるケースだと、不着用や上手に着用できない作業者も出てくる可能性がある。


呼吸用保護具

有機溶剤の事故原因は呼吸用保護具に関連するものが70~ 80%を占めるといわれ、多くが未使用というから、まず着用の徹底が必要となる。呼吸用保護具は大別すると、給気式とろ過式がある。作業環境とは異なる環境の空気や酸素など呼吸可能なガスを供給するのが給気式で、ろ過式は空気中の有害物質を除去することはできても、酸素を供給する機能がないので、酸素が欠乏する環境では使用できない。


ろ過式でも対応できる場合も

給気式には着用者の作業場所とは違う場所からホースを通して空気を供給する送気マスクがあり、「ホースマスク」「エアラインマスクJ「複合式エアラインマスク」の3種類に分けられる。絶対的な性能は高いものの、重装備となる欠点がある。そのため、労働衛生の専門家は「作業環境の改善をまず第一に行い、有害物質の濃度を下げることができれれば、ろ過式の呼吸用保護具で対応できるケースも少なくない」という。

酸素欠乏による災害時の致命率は約45%と高く一度災害が発生すれば死亡に直結する可能性が高い。さらに、被災者を救出しようとして2次災害を引き起こすという特徴がある。そのため十分に注意が必要となるが、作業がすべて酸素欠乏を伴う危険な作業ではないので、状況を把握したうえで防じんマスクや防毒マスクで対応できる場合もあるという。


防じんマスクと防毒マスクをどう使い分けるかは、原則として気体の場合は防毒マスクで、液体や団体の粒子状物質は防じんマスクとなる。スプレー塗装のような粒子状物質と気体が混ざった作業を行う場合には、防じんと防毒の機能を併せ持つマスクを使用する必要がある。

最も多く使用されている防じんマスクのうち、取替え式は交換できない部品に機能が減少するようになった場合には、マスク全体を交換するようにしなければならない。

使い捨て式も機能を減じたときは廃棄しなければいけないが、粉じんが堆積して息苦しくなったり、汚れがひどくなったときは使用しないよう管理することも大事だ。


手袋

革手袋は綿手袋に比べて防護性や耐久性に優れている。革手袋には熱に強い、耐摩耗性に優れている、手になじみやすいなどの長所がある反面、人によってはかぶれの原因になったりすることもあるので配慮する必要がある。


手袋をしないルールも徹底させる

手を保護する手袋だが、最も多く使われる綿手袋の場合、旋盤・フライス盤・ボール盤などの作業の際は、手袋をしてはいけないことを作業者に徹底させる。回転する刃物や切削屑に巻き込まれて災害を引き起こす可能性が高い。

特殊な手袋としては「防振手袋J「溶接用手袋」「電気用ゴム手袋」「耐熱手袋J「切創防止手袋」があり、それぞれ作業に応じた適切なものを選びたい。


安全帯


間違つたチェックしてません?

建設業や高所の作業では欠かせないのが安全帯だ。安全帯の正しい使い方でよくいわれるのが、「フックは腰より高い位置に掛ける」。これは低い位置に掛ければ、落下する距離が長くなり衝撃荷重が増すことを防ぐために注意を促すもの。フックは直接掛けるようにし、回して掛けたり、ボルトの穴などに通したり、先端部分だけを掛けるのは禁止している。

安全帯の重要性を説くために朝礼時に作業者がお互いに「安全帯ヨシ」の掛け声とともに、安全帯のランヤード(ロープ)を引っ張つたり、高いところの横棒にフックを掛けてぶらさがって、強度を確認しているケースがある。これは非常に危険なことで、万が一の際に安全帯が機能しなくなる。

1tの荷重をかけても切れない構造にしなければならないのに、その程度でロープが切れていたのでは大変なこととなる。それよりも、毎朝こういう確認をしていると、ロープは確実に痛んでしまう。もし、このような行動をしていたら、即中止しフックを確実に掛けたかどうかを確認するようなチェックに早急に切り替える必要がある。

安全帯の取替え基準はメーカーなどで点検方法や廃棄基準を設けて、例えば胴ベルトでは幅の中に3mm以上の損傷や焼損、すり切れがあるものなどとしているが、本誌が過去に調査したところでは、外観に損傷がなくてもランヤードで2年、その他の部品で3年をメーカー側は推奨していた。

ロープやベルトは合成繊維のために、太陽の紫外線で劣化する。

あるメーカーでは、体重100kg以上の人は衝撃荷重の限界の8.0KN(キロニュートン)を超えるため、ショックアプソーバー付きの安全帯を勧めている。


安全靴


安全靴を選ぶポイントは、メーカーによるといくつかあるという。

足に圧迫感があったり、どこかが当たったりすれば再度チェックする。靴ひもを締めない状態で足をつま先側に移動させ、かかと部分に人差し指が軽く入るかを確認靴ひもを締め、親指のくびれた部分に先芯の後端部がくることを確認し、およそ合致していればOKだという。

また、足の一番広い部分と靴の一番広い部分が合っていないと足に圧迫感があつたり、靴の中で足が前後に動いてしまうというから、このへんもチェックしたい。

革靴の普段の手入れは、柔らかい布やブラシでほこりや汚れを落とす。汚れのひどい場合は、乳化性の靴専用のローションクリームを使う。油性クリームは革質をいためることがあるので、最イヽ限にとどめるようメーカー側では注意を促す。


防護服


防護服の選定についてはリスクアセスメントを使う。ばく露またはばく露の可能性のあるリスクを洗い出す「リスクの確認」、事象の重み付け、発生確率の見積り、影響拡散の見積りを行う「リスクの評価」、リスクをツト除または回避することができないかを検討し、排除できない場合にリスクを制御するため、より高性能な個人用保護具を選択するなどの「リスクの制御」で選定する。

防護服は、適切に使用・管理し、汚染や拡散を防ぐため、適切な廃棄も必要となる。



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読み ほごぐをもっとよくしろう
作成者 openknow
作成日時 2011年4月13日 15:44:24
最終更新者 openknow
最終更新日時 2011年4月13日 15:53:33
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