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本書に寄せて [印刷用 タイトルあり] [タイトルなし]

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書籍名 アルツハイマーガイドブック
見出し 本書に寄せて

内容

本書に寄せて


 アルツハイマー病は、高齢者とその家族がみじめな思いをする要因の筆頭に挙げられる。思考力、論理力、記憶力が低下したり、絶叫、徘徊、不眠が始まったりすると、たいていは医師の診療と投薬を必要とする。病状が進むにつれて妄想やうつの症状が現れることも珍しくない。

 とはいえ、アルツハイマー病の科学的な解明が大きく進んでいるのも事実だ。はっきりした原因はいまだ不明だが、いくつかの遺伝子要因が急速に明らかにされつつある。また、脳内化学物質の変化についても理解が進んでいる。こうした発見は、アルツハイマー病のを解明する新たな一歩として、ニュースで大々的に報じられることが多い。

 

 このように社会から大いに称賛されてはいるものの、科学的な進歩は、個々の患者やその家族が日常生活で払う精神的、肉体的、金銭的な犠牲については焦点を当ててくれない。患者は日常のごく簡単な活動を行なうことも日増しにむずかしくなり、しまいにはまったくできなくなってしまう。感情のつながりも損なわれて希薄になるため、患者が家族のことを認識しているのか、いや、そもそもまわりに人がいることを認識しているのかすら、はっきりしない。なんとも痛ましい状況だ。慢性的な病気が、患者からは最も人間的な特質である思考力と論理力を奪い、家族からは愛する人を奪って、感情の抜けた肉体だけが残されるのだから。

この病気に詳しい人はよく承知していることだが、病状が進むにつれて、家族や介護者も各方面からの支援を必要とせずにいられなくなるため、彼らにも注意を向けなくてはならない。アルツハイマー患者の介護はとてもむずかしく、感謝されることの少ない仕事だ。苦労が絶えず、気持ちが落ちこむことも珍しくない。どんなものであれ、役に立つアドバイスが大いに求められている。

 

 ジュッテ・ロクヴィグによる本書は、こうした求めに応えるものだ。患者の家族にも介護者にも実用的な助言がふんだんに盛りこまれ、豊かな介護経験に基づいたすばらしい臨床知識と実例が、きわめて読みやすい形でまとめられている。アルツハイマー患者を介護する人すべての必読書と言えよう。また、医療の現場にいる人々にも、外来診療や介護施設での診察ではなかなか表面に出てこない日常の介護にまつわる問題について、本書を読んで理解を深めていただきたい。

 この過酷な病気にかかわる人はだれでも、手に取りやすく明快に述べられた本書から、励ましや知識とともに実際的な助言を得られるはずだ。


――カール・ザルツマン(医学博士、ハーバード大学医学部精神科教授)


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読み ほんしょによせて
作成者 openknow
作成日時 2011年4月26日 18:43:54
最終更新者 openknow
最終更新日時 2011年4月26日 18:47:03
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